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シアトル研修の後半は、世界的企業の現場を見学し、人気ベーカリーの工夫を学び、さらに現地でお世話になっている方々との交流を通して、大きな気づきを得る時間となりました。

世界最大の航空機工場から学んだ「整理整頓と効率」

シアトルは、航空機メーカー・ボーイング社の創業地でもあります。訪れた工場は東京ドーム8.5個分の広さを誇り、世界最大級の建築物として知られています。

ツアー形式で見学した製造ラインは、広大なスペースにもかかわらず驚くほど整理整頓され、無駄のない作業環境が整えられていました。さらに、環境配慮型の循環システムを積極的に取り入れている姿勢も印象的でした。

一見、パンづくりとは無関係の業種ですが、「整理された職場は効率と品質を支える」という点では共通しています。パン屋の現場にも応用できる、多くの学びがありました。

人気ベーカリーから見えた「接客と見せ方」

続いて訪れたのは「ベーカリーヌーヴォー」の別店舗。ここでもお客様が途切れず訪れ、スタッフ全員が必ず来店客にアイコンタクトと身振りで反応する接客スタイルが徹底されていました。服装は自由ながら、全員が店舗Tシャツを着用して統一感を演出している点も参考になりました。

パンはどれも大きく、具材もしっかり。とくに見た目のインパクトで強く惹きつける仕上げが特徴的で、クロワッサン・ダマンドには改良のヒントを得ました。

さらに、新鋭店「ベンズブレッド」をはじめ、周辺のベーカリーも訪問しました。

「ベンズブレッド」では、 塩分を抑えた繊細な味わいのパンには、「健康志向」という明確なコンセプトが感じられました。 また、雑貨を取り入れたおしゃれな空間づくりやオープンキッチンのライブ感が印象的で、地域に愛される雰囲気が漂っていました。

複数の店舗を訪れる中で、パンの味だけでなく、空間やグッズ、ディスプレイといった「お店全体の世界観」が人気を生み出す大切な要素であることを実感しました。

人との出会いから得た「行動する大切さ」

シアトルで長年お世話になっている横田ご夫妻のお宅にて、心温まるランチをご馳走になりました。まるで家族のように迎えてくださり、言葉以上のおもてなしを体感。

その中で「一歩前に出た人を神様は見ている。行動することが次のチャンスをつくる」という言葉を伺いました。特定の宗教的意味ではなく、「まず行動することが道を開く」というシンプルな真理。この言葉は、職人として挑戦を続ける姿勢に重なり、大きな気づきを与えてくれました。

シアトルの暮らしと食文化からの学び

オーガニックスーパーのトレーダージョーズやサタデーマーケットを視察。オリジナルブランド商品が豊富に揃い、野菜や果物は鮮やかで新鮮。市場では農家が直接販売し、グルテンフリーやヴィーガン対応の食品が並びます。

また共通の食器を使って返却場所を設けるなど、環境負荷を減らす取り組みも印象的でした。一次産業と消費者がつながり、健全な循環を生む仕組みは、将来のパンづくりにおいても目指したい姿です。

続いて訪れたのは、Amazon本社近くのベルタウンや、古いレンガ造りが残るバラード市街。個性的な屋台や雑貨店、サンデーマーケットの賑わいから、街の多様性と活気を肌で感じることができました。

夜には、ドジャース対マリナーズの試合を観戦。スタジアムの熱気やエンターテインメント性あふれる演出に圧倒されました。野球とパン屋は一見無関係に思えますが、「人を楽しませる仕組みを作る」という発想は共通しており、イベントや店舗づくりのヒントにつながる体験となりました。

こうした経験を通じて、「パン屋は地域の文化や暮らしと共にある」という視点を改めて学ぶことができました。

まとめ

シアトル後半では、異業種からの学び、人気ベーカリーの工夫、人との出会いから得た言葉、そして環境配慮型の市場の姿を目にしました。

パンづくりの現場に直接関わる要素もあれば、異なる分野からヒントを得る要素もありました。すべてがSWEETの成長に繋がる学びです。

次回Vol.3では、サンフランシスコで見たベーカリー文化と、研修全体のまとめをお届けします。

Vol.3はこちら
海外研修レポートVol.3】サンフランシスコで感じたパン文化の未来

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(投稿日:2025/10/29)